彼女が綺麗に痩せた理由 - ダイエットショートストーリー

第4話 リバウンド

****

壮絶な決意でダイエットを始めた明日香が、ジュースとお茶だけの生活で1.5kgを落としたのは、一週間前の事。 その後も2日間は体重が減って、一時はマイナス2.2kgまでいった。

ところが……

ピタリと体重計の針が動かなくなったのは、3日目だ。

ほとんど何も食べていない上、仕事には出ているのだから、もっとどんどん減ってもいいはず……明日香はそう考えていたが、人間の体はそんなに単純にはできていない。

その上、絶食で減る体重の大部分は、脂肪ではなく水分だ。
人間の体は60%以上が水分でできていて、カロリーが不足したとき、最初に減るのはこの水分なのだ。

いざというとき、命を保つために必要になる脂肪を、体はそう簡単に手放してはくれない。 まして、1週間もまともな栄養が体に入ってこないのだから、体はますます防衛本能を強くして、極限まで代謝を減らそうとする。

水分不足でドロドロになっている明日香の血液は、体の中をめぐる力が弱っているから、手足は冷えるし、頭はぼうっとするし、肌はかさついて……あーあ、吹き出物まで出てきている。

すると、どうなるのか……?

「何も食べてないのに減らないんだもの!やってられないわ!」

バターたっぷりのホットケーキにシロップをかけた明日香が、キャラメルマキアートを一口飲んで言う。

「で、もうダイエットはやめちゃったわけ?」
そうたずねる加奈子に、明日香はきっぱりと言う。

「やめないわよ!!でも、食べないのはもうやめて、違う方法を探すわ」

「それで、絶食でどれくらい変わったの?」
今度はチョコソースをホットケーキにかけている明日香に加奈子が聞いた。

「1.2sよ!」

「あらそう、少しでも減って良かったじゃない」
「違うわよ、1.2s増えたの!ダイエットを始める前よりも」

無茶な絶食によるダイエットでは、脂肪が減らないだけでなく、水分や大切な筋肉が失われることで基礎代謝がうんと落ちる。
つまり、何もしなくても消費されるエネルギー量が減って、どんどん痩せにくい体になっていくわけだ。

その結果、食べないのに体重は減らないということになり、明日香のように限界がくる。
そして、再び食べ始めると……飢餓状態にさらされていた体は、次の危機に備えて、それまでよりも熱心に脂肪をため込もうとする。

これが、リバウンドという恐ろしい罠だ。

「私、明日からこれで痩せることにしたの」
唇についたチョコレートをなめて、明日香は一枚のパンフレットを見せた。


第5話へ→


前のページへ戻る
ストーリーTOPへ戻る

Copyright@2008
Diet Trend Mobile